■横型4.碧地の森林に息づく蝶鳥文や花文たち
この文様について
中倉151 碧地金銀絵箱 第24号(蓋)
碧地の森林に息づく蝶鳥文や花文たち
ヒノキ材による印籠蓋造の箱、その蓋に描かれた図案である。実物の絵柄は碧色の地に花文が金泥で、蝶鳥文や花枝文が銀泥で描かれ、静謐な森林の情景が美しく表現されている。絵柄の中央では花枝を加えた鴛鴦の双鳥が大きな花に乗って向かい合っており、周囲を花卉文が包んで大きな円を成す。
その周囲、上下と四方に花卉文が配され、その隙間に花喰鳥が4羽、蝶が2匹舞っており、調和のとれた絵柄となっている。 |
この歌について
大宰少弐小野老朝臣の歌一首
あをによし
奈良の都は 咲く花の
にほふがごとく
今盛りなり
(小野老、巻3・三二八)
あをによし奈良の京(みやこ)は、咲いている花が輝くように、今、真っ盛りである。