■横型9.唐草文様の中をゆったり蝶が舞う極彩色の浮遊空間
この文様について
中倉155 緑地彩絵箱 第31号
唐草文様の中をゆったり蝶が舞う極彩色の浮遊空間
杉製の木箱に孔雀石を原料とする緑色顔料(岩緑青)を塗り、花文の周りを蝶が軽快に舞う絵柄。実物では蓋側面と身の側面とは図柄が連続するように描かれ、蝶の舞に空気の流れが感じられる。床脚部は金箔地に墨で唐草文様が描かれているが、金属を透かし彫りしたようにも見える。 実物の絵柄の蝶は銀泥を用い簡素だったので思い切って現代の蝶模様に変更、花弁を切込みの入った形状にすることで可愛らしさを加えた。この緑地彩色絵箱第31号は蘇芳地彩絵箱第29号と一対で作られた可能性が高い。 |
この歌について
天皇の御製の歌
春過ぎて 夏来るらし 白妙の
衣乾したり 天の香具山
(持統天皇、巻1・二八)
春が過ぎて夏が来たらしい。白い布の衣が乾してある、天の香具山。